1. 京都府立大学の推薦は学科ごとに条件が違う

京都府立大学の推薦は京都府外の高校からも検討できます。ただし出願区分や履修条件、試験内容は学科によって違います。最初に志望学科の欄を確認してください。

2027年度の学校推薦型選抜では5学部12学科で計165人を募集します。出身学校長の推薦が必要で、合格した場合に入学を確約できる人が対象です。栄養科学科は大学入学共通テストを利用し、それ以外の学科は利用しません。出典:大学公式・学校推薦型選抜、2027年度学生募集要項・11〜14、20ページ。

対象は2027年4月入学の入試です。出願や大学での試験は2026年秋から始まります。

この記事でわかること

  • 府内・全国・系属高校枠の違いと学科別の募集人数
  • 評定、履修科目、学校ごとの推薦人数で確認すること
  • インターネット登録と書類郵送、それぞれの締切
  • 小論文・総合問題・面接・テーマ作文の準備方法

情報確認日:2026年10月25日。大学公式の2027年度募集要項(8月26日訂正版)に基づいています。出願前には公式ページに追加の変更や訂正がないか確認してください。本文の準備方法や練習例は編集部からの提案です。

2. 府内・全国枠と12学科の募集人数

京都府外の高校からでも、全国枠で出願できる

「府内」の対象には京都府内の高校を2027年3月に卒業見込みの人などが含まれます。京都府外の高校でも、本人または保護者(親権者)が2026年4月1日から引き続き京都府内に居住していれば、府内の資格に該当する場合があります。この場合は住民票による証明が必要です。

「全国」は所在地を問わず、高校を2027年3月に卒業見込みの人などが対象です。全国枠には府内の出願者も含まれます。専修学校高等課程などの扱いを含め、正確な資格は募集要項12ページで確認してください。

系属高校枠は大学が定めた系属高校での連携学習などを条件とする枠です。また農学生命科学科と森林科学科には対象分野の専門教育を受けた高校生向けの特別枠があります。いずれも、一般の府内・全国枠とは条件を分けて確認します。

学科別の募集人数

学部学科府内全国系属高校合計
文学部日本・中国文化学科75―12
文学部国際文化交流学科106―16
文学部歴史学科88―16
社会科学部公共政策学科108―18
社会科学部福祉社会学科108―18
農学食科学部農学生命科学科87520
農学食科学部栄養科学科55―10
農学食科学部和食文化科学科64―10
生命理工情報学部生命化学科54―9
生命理工情報学部理工情報学科53―8
環境科学部森林科学科56415
環境科学部環境デザイン学科区分を分けず13人(うち府内優先8人)同左―13

出典:大学公式・募集人員。単位は人。農学生命科学科の府内・全国には特別枠各1人、森林科学科の全国には特別枠1人を含みます。特別枠を表の人数に足すわけではありません。

環境デザイン学科の「13人、うち府内優先8人」は学科全体で13人の募集です。府内8人に全国13人を足すわけではありません。どの学科も人数だけで選ばず、出願条件と学べる内容を確認しましょう。

2027年度は文学部・社会科学部で推薦の募集人数が増えています。農学生命科学科・森林科学科では系属高校枠による増員があるため前年度の人数をそのまま使わず、2027年度の入学者選抜情報を参照してください。

3. 評定だけでなく履修科目と校内の推薦条件を確かめる

全学共通の「評定平均○以上」は示されていない

2027年度募集要項の推薦条件には多くの学科で「成績優秀な者」と記載されています。全学共通の数値として「評定平均4.0以上」などを掲げているわけではありません。評定平均とは高校の各科目の評定を平均した値で、調査書では「全体の学習成績の状況」として扱われます。

数値による一律の条件が書かれていなくても学校長の推薦は必要です。出願を考えたら担任や進路指導の先生に現在の成績、学校の推薦方針、校内選考の締切を確認してください。大学への出願期間より校内の締切が早い場合があります。

学科ごとの追加条件

次の表は主な履修条件を整理したものです。「修得」には修得見込みの単位数も含まれます。学校ごとの推薦上限や例外を含む原文は募集要項13ページで確認できます。

対象確認する推薦条件
文学部の3学科成績優秀で、外国語12単位以上を修得していること
公共政策学科・福祉社会学科成績優秀で、外国語12単位以上を修得していること
農学生命科学科・和食文化科学科成績優秀であること
栄養科学科成績優秀で、理科12単位以上を修得していること
生命化学科成績優秀で、「化学基礎・化学」を履修していること
理工情報学科数学・理科の条件を満たし、成績優秀、または指定の検定・国家試験に合格していること
森林科学科・環境デザイン学科成績優秀であること

理工情報学科は高校の学科によって数学・理科の条件が異なります。普通科では「数学Ⅲ」と理科12単位以上の修得が条件です。情報科学科、工業科等には別の条件があるため自分の教育課程に対応する欄を読みましょう。

指定の検定・国家試験は英検2級以上または基本情報技術者試験です。検定等に合格していても数学・理科の履修条件は満たす必要があります。証明書類の提出方法も募集要項で確認してください。

高校が推薦できる人数にも上限がある

大学全体の募集人数と高校が推薦できる人数は別です。例えば文学部は各学科について全日制・定時制・通信制の各課程から3人以内、公共政策学科・福祉社会学科は各課程から2人以内です。森林科学科は推薦人数の制限を設けていません。

公共政策学科・福祉社会学科・理工情報学科では高校の科目名が学習指導要領の名称と異なる場合に「読替協議」が必要です。これは高校で学んだ科目を大学の指定科目として認められるか、学校を通じて事前に確認する手続きです。

2027年度の協議期間は2026年8月24日〜9月28日で、この記事の公開時点では終了しています。該当しそうな場合は学校で承認済みかどうかを先生に確認してください。出典:大学公式・事前協議。

4. 出願登録は10月26日から書類受付は11月1日から

ネット登録と郵送では受付開始日も締切時刻も異なる

2027年度の出願はインターネット登録、入学考査料等の支払い、学校長による書類郵送の順に進めます。インターネット登録だけでは出願は完了しません。 学校が発送する時間を確保して予定を立てましょう。

手続き・試験日程
インターネット出願登録2026年10月26日(月)9時〜11月9日(月)正午
出願書類の郵送受付2026年11月1日(日)〜11月9日(月)17時必着
大学での試験2026年11月28日(土)
合格発表(栄養科学科以外)2026年12月10日(木)正午
入学手続日(栄養科学科以外)2026年12月25日(金)
合格発表(栄養科学科)2027年2月10日(水)正午
入学手続日(栄養科学科)2027年2月17日(水)

出典:大学公式・出願手続、大学公式・試験等の日程。書類が期限後に到着した場合は11月8日(日)までの消印がある書留速達郵便に限り受け付けるとされています。例外に頼らず、学校と必着に間に合う発送日を決めてください。

出願前に本人と学校の担当を分けて確認する

  1. 志望学科・出願区分・推薦条件を先生と確認する。
  2. 本人がインターネットで登録し、入学考査料等を支払う。
  3. 必要書類を印刷し、志望理由書や学校が作成する書類と合わせて学校へ提出する。
  4. 学校長が書類を取りまとめ、大学へ書留速達で郵送する。

共通して必要な主な書類は出願確認票、写真票、受験票、推薦書、調査書です。志望理由書は理工情報学科を除く学科で必要になり、理工情報学科・森林科学科はテーマ作文も提出します。該当者には住民票や検定試験の証明書類なども必要です。出典:募集要項15〜18ページ。

支払いを済ませないと印刷できない書類もあります。学校への提出日を先に決め、入力と支払いをいつ行うか逆算してください。

5. 学科別の試験内容と栄養科学科の共通テスト

面接の有無も、筆記試験の種類も学科で異なる

推薦書・調査書などに加えて、何を受験するかを下表に整理しました。書類を含む選抜方法の詳細は募集要項14ページに掲載されています。

学科大学で受ける主な試験共通テスト
日本・中国文化学科日本語・英語の文章や資料に基づく小論文利用しない
国際文化交流学科英語の文章や資料に基づく小論文利用しない
歴史学科英語の文章・資料に基づく総合問題、日本語の文章・資料に基づく小論文利用しない
公共政策学科・福祉社会学科小論文利用しない
農学生命科学科総合問題、面接利用しない
栄養科学科小論文、面接利用する
和食文化科学科総合問題利用しない
生命化学科総合問題、面接利用しない
理工情報学科面接(出願時にテーマ作文を提出)利用しない
森林科学科グループディスカッション、面接(出願時にテーマ作文を提出)利用しない
環境デザイン学科総合問題、面接利用しない

総合問題とは学科が求める知識や理解力、思考力などを問う試験です。学科によって出題内容が異なるため大学公式の過去問題から志望学科の問題と解答例・出題意図を確認してください。

栄養科学科は共通テスト6教科8科目が必要

栄養科学科の受験生は11月の大学での小論文・面接に加え、大学が指定する共通テストを受験します。募集要項20ページの配点では共通テストが1,000点、大学側の選抜が400点、合計1,400点です。

指定は国語、地理歴史・公民から1科目、数学2科目、理科2科目、英語、情報Ⅰの6教科8科目です。理科は「物理・化学・生物」から2科目、英語はリスニングを含みます。地理歴史・公民の選択可能科目と第1解答科目の扱いも確認が必要です。指定科目を1科目でも受験しない場合、選抜対象になりません。出典:募集要項20ページ。

さらに共通テスト成績請求チケットを別途提出します。公式の出願手続ページでは12月4日以降に郵送し、提出期限は2026年12月18日(金)とされています。初回の出願書類とは別の手続きとして、予定表に記入しましょう。出典:大学公式・成績請求チケットの郵送。

6. 志望理由書・作文・筆記・面接の準備方法

志望理由書は経験と大学で学びたいことをつなぐ

志望理由書は本人が志望動機と自己PRを600字程度にまとめる指定です。理工情報学科は提出対象に含まれません。農学生命科学科・栄養科学科・森林科学科では裏面の「大会成績・受賞実績」も記載します。出典:募集要項17ページ。

下書きでは「関心を持った経験」「そこから生まれた疑問」「入学後に学びたい内容」を並べてみてください。次の表は編集部が作った練習例です。実際に取り組んだ内容に置き換えて考えてみてください。

抽象的な書き方具体化する方向
「京都が好きなので歴史を学びたい」調べた地域や史料、調べてもわからなかった疑問を書き、大学で学びたい研究方法につなげる
「地域社会に貢献したい」関わった活動とその中で気づいた制度・政策上の課題を説明する
「環境問題を解決したい」森林・住居・建築など、どの対象の何を調べたいのかを絞る

学科のアドミッション・ポリシーは大学が求める学生像や選抜方針を示したものです。募集要項の冒頭に掲載されています。自分の関心に合う点を確かめ、授業や研究分野の情報も大学公式サイトで確認してから書いてください。

文章の組み立てを練習したい人は志望理由書の書き方ガイドも参考にできます。大学指定の様式・字数は京都府立大学の要項を優先しましょう。

理工情報学科・森林科学科は出願前のテーマ作文が必要

理工情報学科は学科サイトに掲載された課題図書を読み、その要約と関連する自分の考えや思い描く未来を書きます。指定用紙に横書き・自筆で4,000字以内とされています。森林科学科は持続可能な社会における科学について考えるテーマで、指定用紙に横書き・自筆で1,200字以内です。正式な課題文は募集要項17ページで確認してください。

作文は出願時に提出するため11月28日の試験に向けた勉強とは別に締切を設けます。読書や資料確認、構成、下書き、清書に必要な日数を見積もり、学校への提出日から逆算してください。

理工情報学科の作文では、図書の内容を説明する部分と自分の意見を分けて書いてみてください。引用元の主張を自分の主張として書いていないか確認しやすくなります。

小論文・総合問題は志望学科の過去問から始める

文学部では英語の文章や資料を読む準備が必要です。公共政策学科・福祉社会学科の小論文は150分です。農学生命科学科などの総合問題は学科が求める基礎知識も問われます。試験時間は募集要項19ページで確認できます。

過去問を解いたら解答例や出題意図と見比べます。知識が足りなかった所と資料を読み違えた所を分けて記録してください。自分の意見の量より設問に答えられたかを先生と確かめましょう。

面接は提出書類とのつながりを、討論は相手の発言の理解を練習する

面接を課す学科では自分の提出書類を読み返し、経験の経緯、疑問、大学で学びたい内容を説明する練習をしましょう。以下は編集部が提案する練習用の問いで、実際の出題を予告するものではありません。

  • なぜその出来事や問題に関心を持ったのか。
  • 調べた内容からわかったことと、まだわからないことは何か。
  • 自分の考えに別の見方があるとしたらどう答えるか。
  • 入学後はどの分野をどのように学びたいか。

森林科学科のグループディスカッションは、複数人で意見を交わす試験です。練習では相手の意見を短く確認してから自分の賛成点や疑問を理由とともに述べてみてください。発言の回数だけを目標にすると相手の話を聞く時間を取りにくくなります。

受け答えの準備には面接での伝え方を比較する記事も利用できます。

7. 併願条件と入学手続きも確認する

合格した場合は入学することが前提

出願資格として、合格した場合に京都府立大学へ入学する確約が求められます。大学公式FAQでも、特別な事情がない限り入学辞退はできないと説明されています。他大学の推薦や総合型選抜との併願はその大学の要項も確認してください。

本学や他の国公立大学の一般選抜に出願することはできます。ただし学校推薦型選抜に合格して入学手続きを完了した場合、国公立大学の前期・中期・後期日程を受験しても合否判定の対象になりません。出典:大学公式FAQ・学校推薦型選抜。

出願前のチェックリスト

  • [ ] 入学年度が2027年度であることを確認した。
  • [ ] 志望学科と、府内・全国・系属高校・特別枠の該当条件を確認した。
  • [ ] 履修科目・単位数と、高校からの推薦が可能かを先生に確認した。
  • [ ] 校内選考と学校への書類提出の締切を把握した。
  • [ ] インターネット登録・支払い・学校からの郵送を予定に入れた。
  • [ ] 指定様式で志望理由書やテーマ作文を準備した。
  • [ ] 栄養科学科は共通テストの指定科目と成績請求チケットの提出を確認した。
  • [ ] 合格後の入学手続日を家族と共有した。

志望学科が決まったら履修科目がわかる資料を持って先生に相談してください。推薦が可能かを確かめ、学校への書類提出日を決めます。作文や筆記の練習はその締切と試験日から逆算して予定を立てましょう。

参照した大学公式資料

PDFのページ表記はPDF閲覧ソフトの通し番号ではなく本文に印刷されたページ番号です。2028年度以降に受験する人は上記の入学者選抜ページで、対象年度の募集要項と変更予告を確認してください。